「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

切花

硝子の器に挿された桔梗

薄紫も優しい秋の七草

 


花を咲かせる植物は

動く事が出来ぬから

艶やかに装飾した

生殖器を剥き出しにして

虫や鳥を誘惑し

風の力も借りて受粉する

結実の為、次の命へ繋ぐ為

したたかな戦略

 


そんな花を

切り殺し

人は眺めて喜んで居る

植物の性器を飾って悦に入り

枯れたら捨てる

 


切られたら死ぬ

例え形は美しくとも魂は無い

骸は弔われる事無く弄ばれ

結実の夢は奪われる

 

 

花の扱いひとつでわかる

自然から遠ざかってしまった

人の傲慢