「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

飛梅

あなたが呼んだから 私は飛んだ 身も凍る如月の東風を切り裂いて 裏切られ 安息の地を逐われたその人を、涙を泉に変えたその人を 何故に忘れられようか、無惨に放っておけようか あなたの為の 花嫁衣は純白の花 弾けんばかりの蕾を一つも零さぬ様、ただ一途…

群青

見えない海に沈んで 水面を眺めている 青に散る光 痺れた四肢を放ったらかしにして 涙の匂いのする液体に溺れている 身体が揺れているのか 意識が歪んでいるのか 体内の 細胞の 隅々までの水分が 解き放たれてゆく 枯れた珊瑚の様に砕けて このまま砂になれ …