「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

晴着

正月の結界が解かれ ほんの少し雰囲気だけ残って居た ハレは仕舞い込まれた 未だ暖かさを何処かに探すには 表は寒く ケを襟巻きして耐えて居る 何処に行ってしまったのだろう あのワクワクしたお正月 晴着を纏うのが待ち遠しかった 子供の頃 褪せていく行事 …

捜索

記憶はスプーンで抉り取られた 残っている方が少ない その方が幸せかも知れない 嘘 思い出せない記憶に未練タラタラ あれも無いこれも無いと 頭の中を引っ掻き回している 実は最初から無かったのかも知れ無いと 自分を説得してみるけれど納得し無い 記憶と記…

椅子

真夜中の時計の音を聞きながら 後、どれほど数えたら朝が来るかと考える 美しいものを想像したり 優しい出来事を思い出したり そんな事は無理だと判っているから 深呼吸して時が過ぎるのを待つ 指先が悴む 猫が鳴いている 冬の太陽の微かな匂い 少し乾いた喉…