「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

捜索

記憶はスプーンで抉り取られた

残っている方が少ない

その方が幸せかも知れない

 

 

思い出せない記憶に未練タラタラ

あれも無いこれも無いと

頭の中を引っ掻き回している

実は最初から無かったのかも知れ無いと

自分を説得してみるけれど納得し無い

 

記憶と記憶力は違う

力は無くなったかも知れ無いけれど

記憶は何処かに残っているはず

 

探せ

探せ

憐れなプライドが叫ぶ

 

あの花の名前を忘れてしまった自分に恐怖した

何時迄もあの花と呼び続けるのだろうか

思い出せ無い悔しさを抱きながら

 

たった一言

誰かに

「教えて下さい」

尋ねれば済むものを