「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

警告

夢は無秩序だから 制御出来ない事は解っている 操作不能な脳が暴走して 記憶を撹拌する 喜び 怒り 哀れみ 楽しむ 全ての情報が錯綜し 感情を揺り動かし 五感は刺激される 今見る夢は悪夢 それは毎晩 訪れる 迷宮の罠 矛盾の謎 人は何故 幸福な思い出よりも鮮…

真珠

あなたが触れる耳たぶに 私が付けているのは真珠のピアス 海の底の暗闇で静かに 優しく育った淡い光の粒 滑らかに白く 肌を飾ってくれる海の雫 私と真珠 愛しい囁きを受け止める 染み込ませる そしてそっとまぶたを閉じる 懐かしい貝の様に 抱きしめられるの…

飛翔

心の底から溢れ出て来る言葉達 叫ぶ 放せ、解き放て、と 私は狼狽えながら振り絞る様に吐く 誰にも届かない 何処にも辿り着かない 私の芯から解放された言葉達は 空へと消え去って行く 自由 そう せめて言葉だけは自由であれ 限られた肉体を見捨てて 飛べ 無…

暗号

自分で掛けたのにどれが どれだか 忘れてしまったから 開けなくなった 鍵を沢山持たなくてはいけない程 私の心の中は そんなに厳重に管理されているのだろうか しなくては いけないのだろうか 解放して下さい 鍵の束をそのまま渡すから 私を解いてみて下さい…

不定

猫は 袋や箱が好き 狭い空間に自分を押し込めて 心地よい居場所を作るのが上手 私の 場所 未だ、定まらない むしろ 定めたく無いのかもしれない

孤独

人混みにもまれて 肩が触れて よろめいて 都会は 雑音と焦燥と 冷酷な目的で満ちている 華やかに着飾った者達の 無表情な色彩に溢れている 独りになりたければ、電車に乗って都会へお行きなさい そこには ゴロゴロと無関心が転がっているから

墜落

堕ちたくて 跳ぶのだけれど動けない 果たして浮いたまま止まっているのか そこでふわりと目が醒める 夢すら侭ならない夜に漂う身体を持て余して 捻れた時空に逆らう様にはみ出た意識を 辛うじて支える自重の危うさ 他愛の無い夢 せめて望を枕に預けたまま 飛…

解禁

閉ざしていた埒を開ける 私は丙午 そろそろ自由に走っても良い季節 どこへでも翔て行ける様に 萎縮していた心と身体を解放して 光の方向へ ゆっくりと進む

充足

たとえば 猫 に生まれ変わって あなたの膝の上でただ身体を撫でられている それだけで満足 な1日 退屈?