「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

本音

気持ちの良い五月の夜

美味しい食事を終えた後で

会話して居た相手から

「私はあなたの言葉で

殴られ続けている」

と、告白された

アルコールで滑らかになった舌は

本音を吐き出したのだろう

一瞬にして私が触れる周りの景色が凍った

 

暴力に嬲られて育った私は

いつしか

他者へ平気で暴力を振るう事に

慣れてしまったらしい

 

反省?

今迄無責任に巻き散らした

言葉の回収など出来はしない

一度放った言葉が付けた傷は

治す手立てが無い

無数の深い傷を抱える自分が良く知っている

 

これからは

簡単に会話が出来ない

一つ一つ言葉を選んで

相手の表情を確かめながら

傷を付け無い様に慎重に

 

他者を傷つけ無い一番の方法は

私が沈黙する事

其れ以外には無い

意味の無い言葉を振り撒いて

悦に入っていた罰が当たった