「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

粉砕

砕けろ


一瞬、そう願った


私は車の窓硝子を殴った


頑丈な硝子は割れる事無く


ただ、ひ弱な手に痣が残った


尊敬する先輩が


重篤な病だと知らされた


やる方の無い思いをどうしようもなく


砕け落ちよと、硝子を殴った


砕け落ちよと、拳の骨で殴った


力不足のこの手には、紫の痣が残っただけで


骨さえ折れず


くやしかった




病は気紛れで


味方に付ければ人生を教えてくれる


けれど


敵に回すと患者は無駄に命を落とす


もしくは、他人を殺す




先生、元気になって下さい


先生との会話が嬉しいのです


先生を知る、全ての人の祈り


先生に、先生の病に、届きます様に