「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

夏祭

時計で日付が変わるのを見届けて


爪先の火照りに気が付く


迷わず体温計をくわえた


37.5度


平温が低めの私には、少し高い


解熱剤を禁じられた身体


安静にするしか無い


きっと、体内で闘っている


均衡を脅かす何かを排斥する為に


肌が、殺気を帯びている


理不尽な暴力は嫌いだから


侵入したものは静かに退治する


はしゃいで罰が当たったのね


夏の祭を浮かれ過ぎたから


私にハレは場違い


ひっそり眠れと


熱が出た


身体には逆らえない