「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

読書

本を開くと
頁に並んでいる文字が
ぼろぼろと落ちた


拾い上げようとしたら
何かの文字の欠片が指先に刺さり
血が滴った


次の頁をめくっても
次の頁をめくっても
文字はこぼれ落ち
足元は黒い小さな破片で埋もれてゆく


しばらく眺めていたけれど
立ち上がり
文字を踏まない様気を付けながら
箒で集めて塵箱に捨てた


私は自分の言葉を綴り始めた
白い本に
赤い血を滴らせながら