「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

飛梅

あなたが呼んだから


私は飛んだ


身も凍る如月の東風を切り裂いて





裏切られ


安息の地を逐われたその人を、涙を泉に変えたその人を


何故に忘れられようか、無惨に放っておけようか





あなたの為の


花嫁衣は純白の花


弾けんばかりの蕾を一つも零さぬ様、ただ一途に夜空を翔た





あなたが呼んだから


私は一夜に飛んだ


匂やかに、密やかに、お傍に佇みます


もう離れないで


もう離さないで