「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

小鳥

暖かいので


窓を開けて、ぼんやりと外を眺めていたら


真向かいに茂る木の枝に


鳥が一羽止まっていた


瑞々しい新緑の影にひっそりと


その端正な姿を見せている


小さな鳥  名前は知らない


しなやかな、ほっそりとした足で、しっかりと

若木を掴んで佇むそれは

黙っている



探しているの?
隠れているの?
休んでいるの?
それとも
恋をしているの?



声を出さずに問いかけてみたけれど

迂闊に物音をたててしまったから

羽ばたいて、行ってしまった   遠くへ




ぼんやりと外を眺めていたら

少しだけ

生き物の匂いを嗅いだ

無機物に囲まれている自分も

ああ

生きていると

感じた