「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

腐乱

指を銜えて しかめっ面をして
あさっての方向を 物欲しそうに
睨みつけている少女達
あなた達は子供ではなく
大人でもない
限られた時間の檻に飼われる生き物


退屈に怯えながら拗ねてみせる そのむき出しの素顔で
出来損ないの媚態をくねらせ 笑い転げているけれど
あなた達は知り過ぎ
そして何も知らない


用意された未来など何処にも無いのだから
自分勝手な夢を抱いて
遊びながら育てばいいのに
現実と言う名の粗末な網に絡まって
生え立ての羽根を自分で毟り崩れて行く


昨日を切り捨て
今日を疑い
明日を待ちくたびれた少女達


どんなにおねだりをしても 誰も時間を買い戻してはくれない
今のうちに駄々をこねておきなさい
我が儘の限りを尽くして
善がった花を咲かせなさい


嘆く間も無く枯れ果てて
熟れて 落ちる
        実になる前に