「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

六月

激しく降った雨に
たたき落とされた紫陽花は
アスファルトに咲く




公園の鉄棒下の水溜まりでは
小雀達
水浴びの順番を待つ



かたつむりは
もう何年も姿を見せない




赤い雨靴を光らせながら
子供が草を走る




空気が濡れている




雲が駆けて行く




空が急いで青くなる




太陽は少しだけ
光を投げて隠れた




夏が生まれる




鳥達は叫びながら
稲妻へ向かって

  
飛んだ