2008-10-02 蜘蛛 蜘蛛を殺した 私の右腕にふわりと落ちて来なければ良かったのに 目立たぬ所でなら、ひっそりと生き抜けた 容姿の異形で人に嫌われる 足を広げれば多分、私の掌と変わらない大きさの蜘蛛 私は少し怯えながら慌てて薬を吹きかけた 何の悪さをする訳でも無い生き物に さっと物陰に隠れたから、もう来ないと思った どうして出て来たの お前を待つ私の目の前に現れたら 殺してしまうのに 弱々しい足取りで、光を求めて這っていた 私は再び薬を吹きかけた 動かなくなるまで、蜘蛛を見ていた 痙攣し、それでも明るい場所へゆこうと、のたうつ様を 静かに足が硬直し、固まって亡骸になるまで じっと見ていた