「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

黎明

夜を通り抜けた空が


朝のほとりに辿り着く


紫に薄まってゆく闇 赤く滲む地平線


凍った空気を切り裂く甲高い鳥の鳴き声


冷えた雲は低くゆっくりと漂っている


ほんのりとした前兆だった光が


太陽の固まりとなって鮮やかに昇る時


地表は柔らかに目を覚ます


影の粒達が朝日に寄り添う


真冬の早朝は


厳かな気配を漂わせて


静かに「今日」を始める