「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

呪縛

私をほどいて


その指で


かたくなな結び目は


がんじがらめ


引きつり、歪んで


肌に食い込み


赤い痕になっている


動けば動くほど


縄は痛くて


うつぶせに転がっている


どのくらい時間が経ったのかわからない


ここが何処なのか忘れ


刃物を探す気も失せた


痛みに耐える事で


生きている


瞬きさえ忘れて


黙る








でも、聴こえた


確かに聴こえた


あなたの声を聴いた


私に話しかけている


私の名を呼んでいる


もう、答える事も出来ない私を見つけて


ほどいて


あなたのその指で


自分の仕掛けた罠に嵌った


愚かな


私を


解放して