「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

抱擁

あなたが私を抱きしめる時

 

私の身体はすでに過去で

 

私はあなたの背中を通り過ぎている

 

私があなたを抱きしめる時

 

あなたの心は身体から離れ

 

あなたは私の背中を眺めている

 

 

 

夕陽の様なあなたは

 

赤い閃光を一瞬だけ放ち

 

うなずいた水平線の私に沈む

 

蒼い夜を静かに迎えた

 

二人を分かつ黒い闇

 

二度と同じ朝が来ない事を知っているから

 

違う場所で横たわる

 

それぞれの形で眠る

 

あなたと私

 

コンコンと

 

コンコンと...