痛覚
痛みは、はかれない
最先端の機器を使えば
数字や、グラフや、色で
示されるらしいけれど
重さや、苦しさや、やり切れなさまで
表示はしない
人はミリグラム単位の毒で死ぬ
なのに釦くらいの鎮痛剤は役立たず
痛みを殺してくれない
痛みを嫌う思いをわかってはくれない
ただ、よこたわり対峙する
身体で、暴れるだけ暴れて
飽きた頃
痛みは去る
それを待つ
痛みは人を砕く
どんなに強く有ろうと願っても
自分の弱さを明らさまに見せつけられる
感覚の全てを失ってしまえばいいのに
けれど
本当は手放したく無い何もかもを
捨ててしまったならば
私は無慈悲になるだろう
そして、訪れるのは無情だけ