「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

五月

空を見上げ

 

あまりの眩しさに

 

光から逃げて俯いた

 

湾曲した視線は

 

影の的を射抜く

 

眼を瞑っても

 

光線の残像を持て余し

 

諦めるしかない

 

痛みにも似た感覚に痺れ

 

再び虚空を凝視してしまう

 

五月よ

 

光の魔法よ

 

呪文を受けた者達は

 

花々の周りを乱舞する

 

楽園に遊ぶ己れに満足し

 

無邪気に笑う

 

やがて時が過ぎ

 

煌きが雨に流され

 

太陽の熱が地面を焦がすまで

 

楽園は永遠で無いのだと知っているのに

 

魔法に騙されたふりを続けながら

 

笑う  笑う...