「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

社会

鏡を見る瞳に

砂漠が映った

ふとした仕草の端々が

乾いている意味を知る

 

 

漫然と生きる事は易く無く

日々の移ろいを

安全な場所から見送るだけで

競争に参加していない事を戸惑え

と誰かが囁く

 

 

人の数だけ有る日常を

一つと数える計算に

目眩がする

 

 

個が個だと主張する為に

心が

カラカラに干からびる程

語り尽くし

身体が

薬でやっと機能を維持していても

疑われる

 

 

何故、沢山の証明が必要なのだろう

「私は私です」

と答えれば済むだけなのに

 

 

鏡を見る

そこには砂漠に水を撒こうとする

無謀で

けれど真剣な

自分が映っていた

人知れず闘う魂もある

と、呟きながら