「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

迷路

横目で見遣ったら、そこには混沌


萎縮した意識の外に放ったらかしの無意識


自我はさっきから水蜜桃を齧っている


他者の視線は混線し


ナイフは出番を待ち伏せ


飛んでいるのはインク壷


追いかけるペンは日記から逃げ出す


赤い月が笑うから


白兎は泣いた


憂鬱と陶酔の境界


瀬戸際はいつも後ろで見張っている