「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

伐採

まだ、咲かぬのに


百日紅は幹を切られ


開きかけた蕾をたわわにたくわえたまま


落とされた枝は焼かれた


毎年、紅い花より遅く咲いた


見上げては、いつ咲くか、いつ咲くかと


心待ちにしていた




真白な花だった


まるで夏に咲く桜のごとく


一途な可憐を見せてくれたはずなのに


緑の葉すら残さずに、少しねじれた幹が棒の様に残された


生々しい切り口は唖然としている





なぜに切ったか





木の傍に立ち


手を差し出し、触れる事も出来ず


私はひとり


花の弔い