「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

連鎖

言葉遊びに現を抜かし


虚ろに絡まり睨めっこ


鏡の中身は抜け出して


残った硝子で万華鏡


砕けた記憶は散り散りに


百科事典へ逃げ込んだ


頁を捲って探しても


昨日の月は戻って来ない


鋏に挟んだ針金飛んで


時計に刺さって深夜を刺す


笑わないのは蜥蜴だけ


掌/たなごころで瞬きをする


「あの星を取って来てよ


 額に飾りたいの」


誰かに囁く戯言に


答えるのは


揺れる笹


サヤサヤと