「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

室内

遮断された光が地団駄を踏む


束の間の視線を投げかけたその先は


時間を追いかける引きつった空間が広がる


風景に酔ってはいけない


全てはいつか壊れる


今は刹那に過去となる


どんな感情も鮮度を保ったまま


記憶するのは難しい


座っている椅子が、昨日の物と同じだと


誰が証明出来るだろう


崩れてゆくから思い出になる


何もかもを憶えていたなら


それは拷問に等しい