「鏡の見る夢」

夢にまで見た夢は夢のまた夢

陶酔

しどろもどろの蚯蚓がのたうつ


頭痛だと思っていた


けれど、それはやがて蛇になり


玉虫色に鈍く光りながら蜷局を巻いて


がらんどうな頭骸骨の中に鎮座した


無限の口から二本の青い舌を俊敏に出し入れしては


紅玉の眼でひりひりと視線を監視している


シュ、シュ、


と舌を鳴らし


想念全てを威嚇する


やがて蛇は耳から這い出て


顔を飲み込もうとした


その真っ黒い口の中を見て


私はうっとりと瞼を閉じた