2010-03-23 陶酔 しどろもどろの蚯蚓がのたうつ 頭痛だと思っていた けれど、それはやがて蛇になり 玉虫色に鈍く光りながら蜷局を巻いて がらんどうな頭骸骨の中に鎮座した 無限の口から二本の青い舌を俊敏に出し入れしては 紅玉の眼でひりひりと視線を監視している シュ、シュ、 と舌を鳴らし 想念全てを威嚇する やがて蛇は耳から這い出て 顔を飲み込もうとした その真っ黒い口の中を見て 私はうっとりと瞼を閉じた