2012-10-19 深夜 その女達は街灯の下に立たない 四つ辻に隠れるでも無く佇み 行き過ぎようとする男に声を掛ける 「女遊びしませんか」 まるで市場に行った帰りの様な普段着で 知り合いと立ち話でもしている風に ネオンを避けて暗がりの中 幾ばくかの稼ぎを得ようと 自分を伴って歩いてくれる男を待つ 夜を立ち続ける女達は どんな影よりも深く 闇を呼吸している それを知っている男達は言う だから俺は あの女達と接吻しないのだ、と 闇に閉じ込められたくは 無いのだと